逗子海岸電軌路線図(昭和42年8月現在)と沿線の紹介
【路線の概要】 逗子本町から湘南逗子への連絡線を走るデキ45の牽く鮮魚列車(昭和42年7月) 路線は国鉄逗子駅前から100mほどの道路沿いにある逗子駅から貨物連絡線を要す逗子本町まで約100mの併用軌道が続き、本社、車庫を併設する逗子本町駅、ここから専用 |
軌道となり、名越川を2度渡たり第2橋梁上に渚橋駅がある。渚橋から第1橋梁の先に沿線唯一の隧道(桜山隧道)があり、ここから海岸沿いの区間となり、鐙摺停留所、海宝に至る。海宝には現在マリーナが建設されている。
全通当時の駅名一覧(昭和10年)
海宝から無人の清浄寺停留所、森戸まで海岸沿いに県道と軌道が何度か交差しながら進む。森戸は葉山町の中心となる街区で、森戸海水浴場、森戸神社の下車駅であり、逗葉軽便鉄道時代の終点である。森戸駅は沿線の中間点にあって、この先2連までのホーム長となるため3連電車の切り離し作業が行われる。このため森戸駅は区間列車の行き止まりホームと引き上げ線を有している。
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森戸の先は、また海岸に寄り添って進む区間が増える。森戸神社前(停留所)は森戸神社の参道に設けられた無人停留所、交換設備のある真名瀬は真名瀬港に隣接し、港への引き込み線が設けられている。貨物列車はここまでで、逗子海岸電軌名物の鮮魚列車*4は真名瀬から発車する。貨物駅としての機能を持つ真名瀬駅では貨物引き上げ線が大峰山の裾に沿って伸びている。真名瀬から大峰山の裾を岬に沿って大きくカーブし、沿線最急勾配のある一色海岸沿いの区間を過ぎたところに一色海岸駅(停留所)がある。ここからしばらく海岸から離れ、急勾配、急カーブで一気に下だり、御用邸前駅に至る。
地方私鉄でありながら、御用邸へのお召し列車*5が運転される点でも逗子海岸電軌は特筆すべき私鉄であろう。御用邸前駅はこの先の単線行き止まり区間の為以上に、御用邸への御料車運転に備えた交換設備を有している。しかしながら、狭い立地条件*6によってかなり窮屈な線路配置であることは否めない。
御用邸前から終点の長者ヶ崎までは交換のない単線となる。途中大浜海水浴場に隣接する大浜停留所、そして終点の長者ヶ崎に至る。
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(昭和42年7月) |
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