工作日誌2:北恵那 デ560
このところ平行してイロイロ工作をしている。なんだか絞りきれないもどかしさを感じつつも、なにか手を動かしたい衝動を抑えきれないだけになっているようだ。元々飽きっぽい性格なものだから、一つのテーマを何年もかけて追いかけるのは苦手なのである。今回も久々にフライス盤や旋盤をいじってやろうと思ったところから始まったものだ。

この北恵那は路面隊で走らせようと企んでいるもの、したがって1/80,16.5mmで作る。工作の目的といえば、フェニックスのF1ギアを使った床下ドライブフライホイール装備といった下回りを試したいというもの。下回り第一で工作を行い、上回りはショウエイさんにエッチングをお願いして簡単に済まそうと考えている。

16番のモデルを作るのは何年ぶりになるだろう。ま、16.5mmゲージはアメリカンとヨーロッパでいじくってるので大きさに違和感はないのだが、このところの日本型箱モノの動力はほとんどパワートラックになってしまった感がある。花園さん儲かってるだろうなぁ(^^;)。
さて、そのパワトラだが、アメリカ型のD凸を作って速さに辟易している。皆さんあれで走らせているのでしょうかねぇ。速すぎじゃない?

そんなわけで、速すぎない動力の電車を作ろうと、フェニックスのF1ギアを採用したのである。使われているウォームのギア比は1:14、ま、そこそこ。モーターはマシマのMHK1215(?)両軸を使用の予定。

特に新しい作り方ではなく、フェニックスのF1ギアを前後ボギーの車端側軸に装備し、中央のモーターからフライホィール経由で1軸乗り越して伝導する。台車はダルマヤのブリル77E。2月にエコーモデルでパーツを購入、フェニックスのF1ギアに使われている車輪はプレーン軸が1.5mm径でパワトラと同じ細いもの、結局非動力側の車輪もパワトラ用を買って揃えることとなった。

変わっている部分といえば、DCC運転を基本としているので、全軸集電にしなくてはならないところ。乗り越し用の枕梁も売っていたが、ABS樹脂から切り出し、全軸に集電ブラシを付けることにした。また、ブリルの枕梁はハンダ付けするようになっているので枕梁用のタップが切れていない。そこで、枕梁はABS、止めネジ部分を真鍮棒から削り枕梁とはフリーに動かせるようにする。集電ブラシも枕梁にタップを立て全軸に当てる。ABSなので絶縁の心配はない。

では工作開始。

まずは4mm真鍮棒から枕梁止めの部分を削り出す。枕梁は4mm幅3.5mm厚のコの字型としたので、3.6mm長2.3mm径の真鍮棒に1.4mmのタップを立てて1.4mm×2mmネジにワッシャを噛ませて止める。

今回も新兵器のタンガロイチップバイトが威力を発揮してくれた。本当に切れ味のよいバイトを使うと仕事が捗るものである。

台車側にガイドの穴(0.8mm径)が開いているので、2.3mm径で外径削りを行い、3.6mmを残して0.8mmのポッチを突っ切りで削り残すことにした。

外径を削り終えたところで左の写真のように中心ドリルで1.4mmタップ用穴の位置決めを行う。


上右のようにチャックから距離ができてしまうので、中心ドリルを使わないとすぐに振れてしまい中心に穴を開けることが難しくなる。中心ドリルの位置決めも芯押し台のガタがあるので、端面を削る際に中心が判りやすいようにしておき中心ドリルのセンター出しをしっかり行わないとブレが出てしまう。

突っ切り後、先に開けた穴にタップを立てる。
小さなバイトでパーツを挟み、ピンバイスに付けた1.4mmタップでゆっくりネジを切った。右は写真を撮るために机に置いてタップを切っているが、実際にはバイスを手で押さえて慎重に行わないと・・・本日の損害タップ1本(^^;)>
突っ切りで中心のポッチ部分の太さまで削り込み、刃の厚さだけ左にずらして突っ切るようにした。多少よぶんなポッチができるがヤスリで整形すれば問題はない。モノが小さいので突っ切ったあと何度かマシンの下を探すことになった。

一応問題なくネジは入ったようである。手はぶれてしまった。(↓)
タップを立てた姿が左。

試しにネジを入れてみる(↓)

でもって、ハンダ付け。
勿論2台車分の作業が終わってからだけど。

できあがったパーツを台車に載せて具合を見る。
こんな感じになる予定。

冷えたところで枕梁パーツ(ABS樹脂フライス削りだし)に取り付けてみた。3mmの自作ワッシャで押さえると枕梁よりも0.1mmパーツの方が長いので枕梁はフリーとなって各軸が自由に動くようになり脱線も少なくなる(だろう)

台車、パーツともにハンダメッキしておき、コテで加熱しながらパーツの頭をピンセットかドライバーで押しつけていると、ジュっとハンダが溶けて垂直にしっかり取り付く。


車輪を組み込んだ様子。
F1ギアは中心ピンの真下にジョイントが来るので動力からの距離が短くても問題が少ない。距離を稼げるのでモーターからジョイントまでの間にフライホィールを入れようかと考えてしまうのである。

次回、集電ブラシの組み込み。床板まで行けるだろうか・・・?
どこが北恵那なんだろうネ(^^;)>>

03.03.09(続く)

 

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