手作りリーマー

2001.6.10


 穴を開けるリーマーについては、いろいろ市販されているが、既製品となると目の前の必要にはぴたっとはまらないことが多い。今回、Nゲージのポイントを手動で切り換えるという時代に逆行したことを始めたところ、転換ロッドを通すパイプに困ったことからリーマーを手作りせざるを得なくなった。実は、内径1mmの真鍮パイプに1mm径のピアノ線を通そうとして通らなかったというのがリーマーを手作りしなくてはならなくなった理由である。1mmと1mmだから通るはずと考えたのだが、ほんの僅かパイプの内径が小さいようなのだ。そこで、通すべきピアノ線でリーマーを作ればパイプをピアノ線の内径にすることができると考えた次第である。

リーマー

こちらが既製品のリーマー、二枚刃である(^^;)。
正確な直径の穴を開ける工具である。旋盤のチャックに銜え刃物台などに固定した対象物に正確な穴を開ける。
今回の手作りリーマーは自分の欲しい径を手に入れるために、この図のようなリーマーを自作した。

こちらは小さな穴を拡げるテーパーリーマー。
3-12mmなどいくつかサイズがある。テーパーリーマーでの作業は慌てて穴を拡げようとすると穴が8角形になったりする。特に大きく拡げようとする場合はゆっくりゆっくり拡げるのが常道である。

 作り方は、開けたい径のピアノ線など鋼線を用意し(または旋盤などで削り出し)、先端の1/3ぐらいを直径の半分までヤスリで削る。先端も刃になるので80度くらいの角度を付ける。
 できあがったリーマーに焼きを入れ、ヤスリで削った部分をオイルストーンで仕上げ完成である。

今回は、1mm径という細さなので旋盤は使わず、モーターツールに銜えて使用する。また、穴を若干拡げるので先端に少しだけテーパーを付けている。1mmのピアノ線のためヤスリでの作業も焼き入れも大変簡単な作業で、ものの数分でリーマーができあがる。穴を開ける側のパイプは万力で緩く固定、両手でしっかり支えながら作業を行った。

作業自体もそんなに気を遣うこともない。というのも、リーマーの径が一定なので削りすぎということがなくパイプの中で抵抗なく回転するようになれば必要直径のパイプができあがっている。細いパイプのため削りかすがパイプ内に溜まってしまうので時々逆さにしてトントンと削りかすを取り除くと作業がはかどるようである。

この方法をうまく使えれば薄肉パイプも楽にできそうだ。また、煙突やパイプの先端の処理にも応用できるのだろう。

 

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