On30 (On2-1/2)について
Bachmannが火を点け、このところメジャーどころ数社がプラ製品を出し始めたことで、一気に普及しはじめた様相のOn30であります。

On30とは、主にアメリカ型を1/48で30インチゲージ(762mm)を16.5mmゲージで模型化したもの。大雑把な言い方をするとHOの線路がそのまま使えるOナローです。7mmスケール・1/43.5ではないところが複雑な事情で、O自体、アメリカでは1/48、イギリスでは1/43.5、ヨーロッパや日本では1/45、この辺りは普及勝ちということで、一つのスケールとしてのジャンルを確立しつつあります。

おなじOナローで16.5mmゲージを採用している「On16.5」というジャンルがあります。イギリスの炭坑鉄道などを模型化したものですが、こちらは1/43.5であるためOn30とは別物といえば別物になります。とはいうものの、同じぐらいのスケールでどちらもそれぞれの製品を流用することができ、元がナローだけに1/48と1/43.5を並べてもそう違和感はありません。

そもそも、アメリカで30インチゲージのナローが存在していたのか?という疑問がありました。
アメリカのナローといえば3フィートゲージが一般的です。模型もn3が一般的でHOは勿論、OでもOn3がメジャーです。そこで、インターネットの検索で調べたところ、「30インチロギング(30" gauge logging)」というページが見つかり、いくつか森林鉄道が存在していることが判りました。これで向かうところ敵なし(^^;)ですネ。

日本でもそうですが、ナローとなると量産製品が多数売れることは少ないのでHOやNのようなプラ製量産製品はあまり期待できないジャンルです。ところが、なにをどう間違ったのか(今から見れば大当たりの戦略だったようですが)バックマンからプラ製品が発売されました。2-8-0とオープンデッキの客車のセットやトロリーに混じってスペクトラムブランドでポーターの0-4-0が登場したときには思わず目がテン。ちょっとおもちゃっぽいこれらの製品が安さとそこそこの走行性能でよく売れたのでしょう。

ここにきてブロードウェイリミテッド社からC-16がHO製品同様のスーパーなサウンドを搭載して発売されました。バックマンからも2-6-0が追加されたり、シェイに続いてクライマックスが発売されます。MMI社からはさらに大きなK-27(2-8-2)が発売されています。これらのプラ製品の発売は、On30がOn3やHOn3などのナローと違った道を歩みはじめたことを確信させてくれます。
アメリカではあまりポピュラーではない762mmゲージが914mmゲージよりも模型ではポピュラーになる日も間近いことでしょう。


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バックマンのOn30ポーターと杉山模型のサンデーリバー鉄道レールバス(HOn2-1/2)を比べてみました。
1/48と1/87なのですが、ポーターがひどく大きく見えます。サンデーリバー鉄道レールバスが異様に小さいのでしょうか?

このようにOn30は思ったよりも大きいのでした。
今回、ロギングモジュールを作ろうと準備中ですが、木の大きさにはたじろいでしまいます。30mの高さの松の木は62.5cmにもなってしまいます。20mにしたって40cm強ですヨ! なんて大きいんだろう(特に縦方向に!)というのが素直な感想です。

大きいなりに楽しいこともあります。
シェイのボイラーにはちゃんと煙室扉がついていて、扉を開けると火が見える(シールが貼ってありました)など、小さな模型ではやれないギミックが面白いです。また、人形も大きいのでじっくり役割を持たせて作り込むこともできますね。これもこの大きさならではの楽しみでしょう。

2003.11.16


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