GraubuendenBahn

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駅モジュールの製作(続き)

全体の設計が終わったらいよいよ材料の購入と加工、そして組立に入ります。

◆ちょっと困ったこと

 先ほどの配線を見てお判りと思いますが、ポイントが13ヶ所、ダブルスリップが1ヶ所とシーサスのクロッシングが1ヶ所あります。Homのポイント(シノハラ)、定評のあるLemaco社のマシンを採用するのが常道なのですが、この組み合わせでざっと1ヶ所5000円になります。10数万円がポイントと線路だけで飛んでしまうのでした。
 資金難はわが夏目鉄道グループが慢性的に抱える問題で、できあがったら運転会参加資金がなかったなんてことにもなりかねない状況でした。

◆思い切りトンデモナイ解決策

 そこで、ポイント一ヶ所当たり1000円以下にしたい!という目標をぶちあげたわけです。いまどき、Nゲージでもそんな値段でポイントなどあるはずもないので、全部自作することにしました。幸いなことに以前買い込んでいたレールクラフト社の#55レールが手元に100本ほどありましたので、これを使うこととし、ポイントやダブルスリップの設計に入りました。ポイントの設計は意外と簡単で、パソコン上でCADソフトを使ってスイスイ進みました。BEMOで常用される10度に開くポイントの左右の図面をプリントし、それに現物合わせでレールを仕上げることにしました。

 

◆製作開始

 まずは台枠の組立です。台枠は9mmベニヤ合板をドイトでカットして貰い製作時間を短縮しました。
 ベースは600mm×900mm、後々シーナリーを付けるには少々広いかな? とは思いましたが、このくらいあるとゆったり線路が配置でき、無理のない線路配置ができます。
 路盤は3mm厚のコルク板を敷きポイントの転換レバーも3mm角材として路盤内にポイントの駆動部分を収納できるようにしました。枕木は3mm幅1mm厚の板材としました、これはレールを固定する際あまり路盤と隙間がない方がしっかり固定できることと、今後バラストを蒔いてしまえば枕木の厚さがそう目立つこともないからです。それに、この厚さは加工が楽! なんといっても約1000本もの枕木を切り出すことになるのですから。

 

ホームのあるボードの裏面

ボードは9mm厚のベニヤを切り出したもので、中央に補強のために梁を入れています。9mm厚であればコーナー補強用材はなくても十分しっかりしています。

ボードの裏にタミヤのギアボックス流用ポイントマシンが見えます。電気配線などは伝統的な手法で行っています。このくらいの配線であればこれで十分です。

◆ポイント

 レールをCADの型紙に基づいてカットし先端レールなどをヤスリで仕上げました。根気の要る作業ですが金を時間で払っている?という時代に逆行してはいるものの確実に費用を削減するのですから、貧乏鉄道にはこれしかありませ 

ん。そう思うと涙が・・・(^^;)>

フログ部分は真鍮板にハンダ付けで組立てました。ここを適当にやると脱線の元となるので慎重な作業が必要で、1本づつ位置決めしバーナーでハンダを流しました。

先端レールのヒンジ部分は通常のポイントではPECO製のN用レールジョイナーを、ダブルスリップのみ0.7mm幅の真鍮帯材で先端レールを挟み込んでいます。

レバーとの連結は0.3mm線を先端レールにハンダ付けし木製のレバーに差し込んでいます。

←とれいん9月号と反対側から見た今回のハイライト。ダブルシーサスの途中からもポイントが分岐しています。

◆レール敷設

 まず枕木を敷き、その後レールを敷くという実物さながらの手順を採りました。(他にはなさそうだけど)レールの固定はレールスパイクを枕木の間で留めました。枕木に穴をあけて留めると実感的なのでしょうが、作業量が数倍になります。すでに時間はポイントに売り尽くしてますので、もう無駄にできる時間はありません(^^;)。

◆ポイントマシンをどうしたのか

 Lemaco製のマシンはスローアクションでかっこいいんですけど予算が許してはくれない・・であればNと同じようにコンデンサを使うことも考えましたが、自作したポイントの耐久性がどれだけあるのか見当がつかないので見送り。悩んだあげく、タミヤ模型のギアボックスを使ってポイントを動かすことにしました。

 うれしいことにこのマシン結構なスローアクションで、電圧の調整でLemaco製と同じぐらいの速さにできることが解りました。ただ、ものすごい音には閉口させられます。

 右の写真のように、くるくると回ることのできる作動腕にポイントを動かすロッドを連結させています。途中「く」の字に曲げてバネの効果をだせるようにして、力点で約10mm、ポイントレバーでは約4mm動かすだけですからかなりバネが強くなっています。
 レバーがポイントを切り換えた動作を止める必要があります。Lemacoでもたまにありますが、止まらないと力が強だけに下手をするとマシンを壊してしまうことがあるくらいです。ここには秋葉原のジャンク屋で1コ100円で売られているマイクロスイッチを2コ、ダイオードと併用してモーターへ流れ る電流をカットしています。

 

 

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