電子工作の話

その2.ポイントの開通方向をLEDで示す

「ちゃんと開通していないと光らない」を実現しようとしてICを持ち出した話

ちゃんと開通するというのが、ポイントが物理的にスイッチと同じ方向に開通しているということではなくて、コントロールボード上で「通過できる方向」に開いていることを示したかったわけです。

このような片渡り線で、P1とP2が定位方向(青:左)の場合には対向したポイントの開通方向を特に意識することはありませんが、P1からP2に渡る場合には、両方とも反位(黄色:右)に向いていないと脱線したりショートしたりします。

P1とP2のポイントスイッチと連動させる形でLEDを光らせると、青のLEDはスイッチが左になれば光らせていいのですが、黄色のLEDはP1とP2の両者が右になった場合にだけ光らせることにしたいので、P1とP2を直列にしてLEDを繋ぐと渡り方向だけは両側ONのみで光らせることができます。しかし、このときにP1やP2を左に転換すると全部消えてしまうか、黄色(LED2)もスイッチを操作した側の青も点いてしまって、どちらが選択されているか訳判りません。

ということで、黄色のLEDだけはP1とP2のAND(どちらもON)をとって光らせるというのが今回の工作です。

ANDをとるのだから、ロジックICのANDを買ってきて繋げばOK、、、というわけにはいかなくて、、LEDをICに直結して光らせるにはそれなりに電流が流れてくれる必要があります。ICの場合、Hレベルでは電流は少ししか流れず、Lレベルで流れ込みます。

ANDの回路では「入力がどちらもON=Hレベルになったとき出力がHになる」のですから、出力がHになってしまうとLEDが点灯しないことになってしまいます。そこで、逆の論理(負論理)で考えて「入力がどちらもLレベルになったときに出力がLになる」とすれば、同じ論理でLEDも光らせることができます。

ANDの論理は、

ORは

OR回路にすれば、どちらもLの時に出力をLレベルにすることができます。

で、できた回路がこの図です。

P1、P2のスイッチともに、定位の左を選択する場合には直接LEDに接続して青のLEDが光ります。
右を選択した場合には、どちらもORゲートの入力に入っているので、上の論理が成立するとき(どちらも右を選択した場合のみ)ICの出力がLレベルになって、そこに接続されたLED2(黄色)に電流が流れます。

P1、P2とも、右を選択していない時には、ORゲートはVccと1Kオームの抵抗で入力が繋がっているので、Vccの電圧がかかりHレベルになっています。スイッチが入力に接続されると、ICの入力はGNDに直結されるのでLレベルになります。

とまあ、めちゃ簡単なIC利用ではありますが、当初の目的通りの表示ができるようになりました。


BACK