第1話

グリーンマックス新動力ユニットにデコーダーを搭載する。 

2001.4.28

 

DCCの話題、記念すべき?第一話です。
最初はシステムの話題からというのが常套手段ではありますが、システムの内容などは各社のHPや個人サイトで私などより詳しく紹介されているので、工具のお話同様、作業紹介で進めようと考えています。

米国型HOからデコーダーの搭載を始めていますが、6月に予定している運転会(こだわりの運転会in御殿場)で、DCCをフル活用した「京浜急行ダイヤ運転」がテーマとなっているので、そろそろデコーダーを搭載しないといけない時期でもあり、連休を利用して作業を進めているのであります。

ということで、Nゲージ車輌にデコーダーを搭載するのは今回が始めて。米国ではDCCが進んでいるので製品にもそれなりの工夫がされているので搭載も楽なのに比べて、日本型Nはそんなこと全く考えていない設計なので、切ったり貼ったり削ったりと、工夫しないといけないと思われます。DCCが日本でも普及してくればソケットが付いた製品なども出てくるだろう、と期待してしばらくは強引に出デコーダーを搭載することになるのでありましょう。

右の写真がおなじみGMの動力ユニットであることは説明するまでもないのですが、旧ユニットに比べるとぐっと格好良くなりましたよね。アルミ地肌をスチール?のカバーで覆って黒く塗装されたため大きめのユニットも目立たなくなりました。

運転会では京浜急行デハ1000の2編成(それも非冷房!)がノルマ(^^;)なもんで、OK18台車を履いた新動力ユニットを用意しました。それにしてもGMさんは偉いですよね、初期の車でも半々?だったOK18車を未だに作ってくれるのだから。

その辺は置いといて・・DCCであります。
車輌に搭載するデコーダーは、レールに流れる信号から自分への信号を拾ってモーターに信号通りのパワーを送る役目なので、レールから台車を通じて集電しモーターへ送る前にデコーダーを経由させる必要があります。

左の図がそれをGM動力ユニットの集電システムにあてはめたものです。

黄色の部分が隣青銅板で作られた集電兼モーターへの配線板です。左右を絶縁した車軸を受けるダイキャストの集電ブロックが中心ピンを兼ねて左図上下の集電板に電気を伝えます。

そのままハンダ付けなしでモーターの接点に接触させてレールからの電気をモーターに伝える方式。よくできてますネ。

よくできている分、この配電板をカットしてデコーダーを割り込ませるのは狭い車体の中に収めなくてはいけないこともあって工夫が必要です。

左図下がデコーダーを潜り込ませるための配線図です。デコーダーはDigitrax製のDZ121を使いました。DZのZはZゲージ用を表す品番で、本体はかなり小さく、許容電流も1Aと他のデコーダーよりも小さくなっています。ま、最近のNなら1Aもあれば十分。

DZ121デコーダーからは7本の配線が出ています。色は赤・黒・白・オレンジ・グレー・黄・青の7色、NMRAの規格で決まっている配色です。そのうち、赤と黒がレールからの集電、オレンジとグレーがモーターへの配電、白・黄・青はライト用です。この動力を入れる車は中間電動車なのでライト用は無視、4本だけを配線することになります。

配線は、狭い動力ユニットの間を縫うように行わなくてはならないため、上図の下のように、モーター下側の接点は生かし下側への配電部分をカットしてデコーダーを噛ませるようにしました。上の接点は余裕があるので接点へ伸びる部分をカットするだけです。

配電板は台車中心ピンを兼ねていて、下手にカットすると台車が不安定になってしまいます。そこで、配電板をカットしたら床下に貫通させて配線をハンダ付けしやすくするとともに、動かないように貫通部分で安定させます。

右の写真が加工した姿。配線板が床下に飛び出してます(見にくい?)。当然、カットした側だけなので、写真では上側になっているのが判ると思います。まだデコーダーへの配線をしていないので配電板だけになってます。

作業はまず下の写真のようにウェイト部分を取り外し、モーター・ギアボックス・台車を取り外して行います。ウェイトの取り外しは前後、カプラーに隠れた部分にあるネジを2本外せばよく、また、モーター、ギアボックスはプラ部品がはめ込みになっ

ているだけの簡単な構造です。

ここまで外すと隣青銅板はプラの床板に挟んであるだけなので、弾力を利用しながら外し余裕をもってカットします。

床板を貫通させる穴はカッターなどで床板裏側からカットすれば良く、台車を受ける部分が定位置に来るよう気をつけて余り部分を床下へ折り込み、更に床下に沿って折り曲げると安定します。

前後台車をつないでいる部分を両側ともカットする下接点側の板は、下接点に当たる部分の片側だけ床下に貫通させています。両側を貫通させても問題はないと思いますが、面倒なので穴を1つ省略してしまいました。

デコーダー本体はウェイトの上に両面テープなどで貼り付ければ安定します。屋根との間にはギリギリですが隙間があるので問題なく収まります。

 

 ←GM新動力への組み込み例

DZ121から出ている7本の内4本を使って配線、不要な線は邪魔になるので切り取ってしまった。モーター軸とウェイトの間に十分な隙間ができるので、床の配線部分へのリード線の取り回しは比較的楽である。

デコーダー本体は両面テープで固定。

この状態でレールに載せてチェック、アドレス03で動けば完了!

使用部品

デコーダー :DZ121 Digitrax社製品     $44.99 (US$ - 2001.4.28)
動力ユニット:#565 グリーンマックス社製品 \3200 (JPY - 2001.4.28)
両面テープ :デコーダー安定用

必要な工具

精密ドライバー +ネジ用
カッターナイフ
ピンセット
ハンダこて・ヤニ入りハンダ(配線用)
ニッパー(配線用)

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